リンカーン・ナビゲーターは、2006年2月に日本で発売が開始され、現行モデルで3代目になります。全長5,290㎜×全幅2,010㎜×全高1,980㎜の8人乗りフルサイズSUVになり、いかにもアメ車といった存在感のある外観となっています。
2015年7月のマイナーチェンジでは、5.4LV8エンジンから3.5LV6直噴ツインターボへと変更して周囲を驚かせました。ダウンサイジングしたものの、最高出力は385馬力・最大トルクは63.6kgmとパワフルなスペックとなっており、最高出力は81馬力・最大トルクも13.1kgmも向上させています。燃費面でも従前モデルに比べて市街地16MPG/高速22MPGと若干改善されています。(従前モデルは12MPG/17MPG)
マイナーチェンジで装備・性能面では過不足ない感じになりましたが、安全面では自動ブレーキが未設定とやや時代の流れから遅れている感はあります。NYオートショー2016で次期モデルが発表され、安全面も充実しているのでフルモデルチェンジに期待がかかるところです。
リンカーン「ナビゲーター」の良い点(メリット)
①最大2,925Lのラゲッジスペースは、驚きの一言。
ラゲッジルームは、3列使用時で奥行き400㎜×幅1,250㎜×高さ780㎜で、容量は523Lとフル乗車でも十分な容量となっています。3列を格納すると奥行きが1,360㎜・2列まで格納では2,200mmまで拡大し、最大で2,925Lにもなります。十分なスペースを確保しており、アウトドアなど大きな荷物も余裕で積めます。
またリヤリフトゲートは、ガラス部分だけの開閉も可能になっており、後方にスペースがなくリアゲートが開けられない時などには重宝します。
②排気量は落としながら、最高出力は81馬力・最大トルクも13.1kgm向上。
2015年7月のマイナーチェンジで5.4LのV8から3.5LV6ツインターボにダウンサイジングしたナビゲーターですが、最高出力は385馬力・最大トルクは63.6kgmと十分なスペックです。排気量は落としながら、最高出力は81馬力・最大トルクも13.1kgm向上しており、パワフルな走りは健在です。また1,700回転と低回転域からピークトルクの90%を発生させるので、走り出しもスムーズです。
ライバル車のエスカレードと比べると、最高出力こそ426馬力と差がありますが、最大トルクは63.5kgmと同程度の水準となっています。
③燃費面でも若干改善。自動車税・ガソリン代などの負担も減。
15年7月のマイナーチェンジの際に3.5Lにダウンサイジングした事もあり、燃費面でも市街地16MPG/高速22MPGと若干改善されています。(従来型は12MPG/17MPG)
アメ車と言えば気になる維持費ですが、ナビゲーターはレギュラーガソリン仕様(エスカレードはハイオク仕様)・排気量が3.5L(エスカレードは6.2L)と小さいので、毎年の自動車税や燃料代などの維持費もライバル車に比べると低めになっています。
④3つの走行モードから選択可能なリンカーンドライブコントロールを搭載。
ナビゲーターには、リンカーンドライブコントロールと呼ばれるシステムが搭載されています。このシステムには、ノーマル・スポーツ・コンフォートの3種類の走行モードが用意してあり、スイッチ1つでサスペンションのセッティングやパワーステアリングのアシスト量が変更可能となっています。
ドライバーの気分や路面状況に応じて走りを楽しむ事が出来るので、普段のドライブがより楽しくなること間違いなしです。
⑤全席に本革&大型シートを採用し、どの席でも快適に。
ナビゲーターは、室内長2,830mm×室内幅1,600mm×室内高1,180mmと大型ミニバン並みの広さを誇っています。3列目はおまけ程度のシート&広さになっているSUVもありますが、その点ナビゲーターは全席に本革の大型シートを採用しており、どの席でも大人が無理のない姿勢で座れます。
1列目にはシートヒーター&クーラー・2列目には左右にシートヒーターを採用するなど、細かな気配りがしてあるのもプラスポイントです。
リンカーン「ナビゲーター」の欠点(デメリット)
①自動ブレーキなどの先進の安全装備の設定がなし。
フロント・サイド・カーテンエアバッグを備えるなど高い安全性が評価されているナビゲーターですが、自動ブレーキなどの先進の安全装備の設定がありません。ライバル車のエスカレードではこれらの機能は標準装備になっており、安全面では少々差があります。
NYオートショー2016で発表されたコンセプトカーでは、自動緊急ブレーキ・歩行者回避・360度カメラ・自動パーキングなどの先進の安全装備は充実しているので、次回のフルモデルチェンジに期待です。
②全長5m・全幅2m超えは大きすぎ。左ハンドルなのも運転のしにくさの要因。
全長5,290mm×全幅2,010mm×全高1,980mmとフルサイズSUVとなるナビゲーターは、室内の空間・ラゲッジスペースの両方が充実しておりとても快適なのですが、如何せん大きすぎます。このクラスになると、通る道を選ぶ必要が出てきます。
また他の輸入車SUVのように右ハンドルの設定でなく、左ハンドルのみとなっているのも運転のしにくさの要因です。このサイズで左ハンドルとなると、日本の道路を運転するには少々ハードルが高く感じます。