フィアット500Xは、日本では2015年9月に発売が開始された新型車です。プラットフォームは500Lと共通のスモールワイド4×4アーキテクチャーを採用し、ジープ・レネゲードとは兄弟車になります。
ラインナップはFF仕様のポップスター・ポップスタープラスと4WD仕様のクロスプラスの3グレードから構成されます。価格はそれぞれ286万円・307万円・334万円と輸入車SUVではリーズナブルな設定となっています。
エンジンは全車に1.4L直列気筒ターボを搭載し、最高出力は170馬力・最大トルクは25.5kgmとパワフルな走りを実現しています。また全車にパドルシフトを装備し、マニュアルでシフトチェンジ出来るなど遊び心も満載です。
燃費面ではアイドリングストップ機能などの採用により、JC08モードでポップスター・ポップスタープラスが15.0km/L(クロスプラスは13.1km/L)と輸入車では燃費の良い車種となっています。
フィアット「500X」の良い点(メリット)
①JC08モードでは、15.0km/Lと輸入車ではなかなかの燃費。
フィアット500Xはスタート&ストップ機構の採用などにより、ベースグレードのポップスターでJC08モード燃費15.0km/Lの低燃費を実現しています。また4WD仕様のクロスプラスは、惰性走行では4WDから2WDに自動的に切り替えるシステムの採用で燃費向上に貢献しており、13.1km/Lとこちらもなかなかの数値を記録しています。
ライバル車と比較するとミニクロスオーバーが同じガソリン仕様では13.8㎞/L(ディーゼル仕様では16.3㎞/L)となっており、やや上回っています。
②ポップスターは286万円と300万円を切る価格設定。輸入車SUVでは割安。
フィアット500Xは、エントリーグレードのポップスターが286万円の価格設定になっています。ライバル車のミニクロスオーバーがほぼ同じ288万円となっており、輸入車SUVではお得感のあるプライスと言えます。
CX-3などの国産SUVと比べると50万円程度の価格差はありますが、オシャレなイタリア車が300万円を切った価格で買えるなら一考の価値ありです。
③全車に走行モードを切り替えられるドライブムードセレクターを標準装備。
フィアット500Xは、走行・路面状況に応じて3つの走行モードから選択出来るドライブムードセレクターを全車に標準装備しています。走行モードには、燃費重視のオート・パフォーマンス重視のスポーツ・グリップ性能を重視したトラクションモードが備わっています。
4WD仕様のクロスプラスではトラクションモードを選択すると、リヤアクスルへと積極的にトルクが行き、低速時の悪路走破性を向上させてくれます。トルクの配分状況は3.5インチディスプレイに表示するので、一目で車輌状況の把握が可能です。
④7つのエアバッグを全車に標準装備。先進の安全装備も充実。
フィアット500Xは、全車にフロント・サイドエアバックはもちろんの事、ウインドー・ニーエアバッグまで7つのエアバッグを標準装備しており、安全性に特に配慮した車種となっています。
この他にもポップスタープラス以上のグレードには、前面衝突警報(クラッシュミッティゲーション付)や車線逸脱警報機能などが装備されています。ライバル車のミニクロスオーバーは自動ブレーキなどの安全装備が備わっていないので、その点では一歩リードしています。
⑤保温・保冷する機能を持つインパネボックスは意外と重宝するかも?
フィアット500Xは、コンパクトなサイズながら機能性にも優れています。乗車人数分以上のドリンクホルダーやスライドするアームレストなど、細かな気配りが出来ています。
ライバル車にない装備ではインパネボックスに空調を利用して保温・保冷する機能を持たしたところです。500mlのペットボトル1本分のスペースしかないですが、長距離ドライブなどには意外と重宝するかもしれません。
フィアット「500X」の欠点(デメリット)
①荷室容量はミニクロスオーバー未満。床面がフラットにならないのも残念。
フィアット500Xのラゲッジルームは、奥行き750㎜×幅980㎜×高さ730㎜となっており、通常時で350Lの積載容量です。リアシートを倒すと、奥行きが1,520㎜まで拡大し、最大時で1,000Lになります。
ライバル車と比較するとミニクロスオーバーが通常時350L・最大時1,170Lとなっており、通常時は変わりませんが最大は170Lの差があります。またリアシートを倒した際に床面がフラットにならないのも残念なポイントです。
②側方・後方視界は良くない。死角を減らす装備を備える中間グレード以上を選びたい。
フィアット500Xは丸みのあるデザインが特徴的で、後方に行くにつれ全高が低くなっています。これによりサイド・リアガラスが小さくなっており、やや側方・後方視界が悪くなっています。
リアビューカメラやブラインドスポットモニタリングなどの死角を少なくする装備は、ポップスタープラス以上から標準装備になっているので、20万円程度価格差はありますが中間グレード以上を選択したいところです。