マツダCX-8
6・7人乗り
待望の3列シート・7人乗りのSUV「CX-8」がマツダから販売することになり、2017年下半期の新車情報の中でもかなり注目されていました。9月の発表から発売日までの3か月間で予約受注が7000台以上と好調なスタートを切っています。
マツダと言えばミニバンから撤退を発表しており、今までは「プレマシー」や「MPV」からの乗り換え車種をどうすれば良いか心配しているマツダオーナーも多くいたと思います。
「CX-8」の登場により7人乗りのニーズに応えることができるので、ミニバンユーザーの流出をカバーすることができそうです。
「CX-8」のエンジンは『スカイアクティブ-D』でマツダが得意とするディーゼルエンジンを搭載しています。最高出力は190ps/4,500rpm、最大トルクは45.9kgf・m/2,000rpmです。
ディーゼルエンジンの強みであるトルクが、走り出しから力強く発揮されるのです。
今回は7人乗りのディーゼルエンジンで新しく発売されている「CX-8」を競合車種と比較しながらメリット・デメリットをお伝えしていきたいと思います。
CX-8のメリット
まずはCX-8のメリットからみていきます。ここではCX-8が支持されて人気の理由でもある「燃費」「運転のしやすさ」「安全性能」「室内の広さ」を様々な面で比較しながら紹介していきます。
これがディーゼルの実力、3列シートでも燃費は17.6km/L
マツダの『スカイアクティブ-D』を搭載した「CX-8」の燃費は3列シートにも関わらず17.6km/Lと言う驚くべき燃費です。その実力は競合車種と比較しても一目瞭然です。
■3列シートSUV燃費比較
車種 | JC08モード |
---|---|
マツダ・CX-8(2.2Lディーゼル) | 17.6km/L |
日産・エクストレイル(2.0Lガソリン) | 16.4km/L |
三菱・アウトランダー(2.0Lガソリン) | 16.0km/L |
トヨタ・プラド(2.8Lディーゼル) | 11.8km/L |
数少ない3列シートの国産SUVで比較してみると「CX-8」は圧倒的な低燃費を誇っています。ディーゼルエンジンを搭載しているにも関わらず、「プラド」は11.8km/Lでランキング最下位となっており、マツダの『スカイアクティブ-D』の実力を見せつけた結果となりました。
なぜこんなにも燃費がいいのか、マツダはエンジンの中核である燃焼に徹底的にこだわったことで、燃費・排出ガス・静粛性・走行性能を向上させています。
さらにエンジン始動時の温まっていない状態では冷却水の流量を下げて暖気効率をアップさせていることも燃費向上の要因です。もちろん『アイドリングストップ(i-stop)』の効果も忘れてはいけません。
無駄な燃料を徹底的にカットした結果、7人乗りでありながら驚異の17.6km/Lをマークしているのです。
レーダークルーズコントロールで高速道路も疲労軽減
「CX-8」に搭載されている『レーダークルーズコントロール』は全車速追従機能が付いているので、高速走行でも前車を検知して車間距離を一定に保ちながら走行してくれます。
減速した際も先行車が停止すれば自車も停止してくれるので、ハンドルを握っているだけで良いのです。再発進時はアクセルを踏むだけで先行車に合わせて加速してくれるので、セミ自動運転みたいなものです。
また、夜間走行では『アダプティブLEDヘッドライト』でハイビームとロービームの切り替えを自動で行ってくれます。これは常にドライバーが運転しやすい視界を確保することと、対向車や歩行者に眩しい思いをさせないことを両立してくれているのです。
自分自身で切り替えると手間がかかりストレスですが、自動であれば助かります。
これらの機能により、高速道路の走行や長時間の運転、夜間の走行でもドライバーの疲労軽減に大きく貢献してくれており、とても運転しやすいですね。
車種 | レーダークルーズコントロール | 備考 |
---|---|---|
マツダ・CX-8(2.2Lディーゼル) | ○ | ベースグレードのみ追従機能なし |
三菱・アウトランダー(2.0Lガソリン) | ○ | ベースグレードのみ追従機能なし |
日産・エクストレイル(2.0Lガソリン) | △ | 上級グレードのみ装備、その他オプション |
トヨタ・プラド(2.8Lディーゼル) | △ | TZ-Gのみオプション装着可 |
360°ビューモニターで死角も手に取るように見える
オプションの『360°ビューモニター』は車体が大きい「CX-8」には嬉しい装備です。車両の前後左右に備えた4つのカメラで車両を上から見た様なトップビューやフロント・リア・サイドビューの映像をディスプレイに映し出します。
『フロントパーキングセンサー』もセットで付いており、物や車両を検知すると警告音で知らせてくれます。大きな車体で狭い場所の駐車やすれ違いがあっても安心して操作することができるのです。
時速80km/hまでカバーできる自動ブレーキシステム
「CX-8」の『自動ブレーキ』は時速80km/hまでカバーできる高性能です。先行車をカメラで検知しますが、車両に対しては4~80km/h、歩行者に対しては10~80km/hまで対応しており、万が一の時はブレーキを自動制御して衝突回避をサポートします。
この検知できる時速は「CX-8」が優れていることが以下の表を見て頂ければわかるはずです。
車種 | 対歩行者 | 対車両 |
---|---|---|
マツダ・CX-8(2.2Lディーゼル) | 10~80km/h | 4~80km/h |
トヨタ・プラド(2.8Lディーゼル) | 10~80km/h | 10km/h以上 |
三菱・アウトランダー(2.0Lガソリン) | 5~65km/h | 5~80km/h |
日産・エクストレイル(2.0Lガソリン) | 10~60km/h | 10~80km/h |
さらに「CX-8」は後進時でも2~8km/h以下ならば、超音波センサーで障害物を検知してブレーキを自動制御して衝突被害を軽減してくれるのです。
まるで高級ミニバンの様な後席スペース、2列目キャプテンシートは魅力的
SUVの2列目シートは窮屈な印象が強いですが、「CX-8」はその印象を覆してくれました。まずシートですが、『6人乗り』を選択すると漏れなくキャプテンシートになります。(7人乗りは除く)
2列目シートは前後スライド可動域が120mmもあるので、足元も広々させることができます。シートバックを深めに倒してリラックスした状態でドライブを楽しめそうです。
最上級グレードのLパッケージを選択すると、専用のアームレストを兼用した大型コンソールボックスがついています。深さ250mmの大容量で充電用のUSB端子もついています。
3列目はSUVなので狭くても仕方ありませんが、女性やお子さんは勿論のこと、身長170cm位の方ならば裕に座ることができる広さです。
CX-8のデメリット
話題で人気のCX-8 、一見するとデメリットなんか無さそうですが、3列シートによる「ラゲッジスペースの狭さ」と装備にこだわったゆえの「価格の高さ」が挙げられます。
荷物があまり積み込めない奥行500mmのラゲッジスペース
「CX-8」に限ったことではありませんが、3列目のシートがある車はラゲッジスペースを犠牲にしています。
3列目を使用している「CX-8」であれば奥行500mm、最小幅1015mmとかなり狭いです。深底のサブトランクボックスがあるので、9インチのゴルフバックが2個積載できますが、万が一5人でゴルフに行く場合は、6人乗りの「CX-8」ならばバックが積み切れずお手上げです。
4人で出かける場合なら、3列目シートを倒してフラットにすることで奥行き1225mm確保することができるので、積載量もかなり多くなります。
CX-8はベースグレードでも319万円からのハイスペックSUV
安全性能や室内装備の上質な造りはとても魅力的ですが、「CX-8」のベースグレードは¥3,196,800からと価格は高めになっています。
競合車種と比較すると以下の様になります。
■3列シートSUVの価格
車種 | 最低価格 | 最高価格 |
---|---|---|
三菱・アウトランダー(2.0Lガソリン) | ¥2,538,000 | ¥3,284,280 |
日産・エクストレイル(2.0Lガソリン) | ¥2,621,160 | ¥3,371,760 |
マツダ・CX-8(2.2Lディーゼル) | ¥3,196,800 | ¥4,190,400 |
トヨタ・プラド(2.8Lディーゼル) | ¥3,504,109 | ¥5,133,927 |
3列シートのSUVの最安値は三菱の「アウトランダー」が¥2,538,000で最高値はトヨタの「プラド」で¥5,133,927でした。
単純に価格だけ見て判断すると「CX-8」や「プラド」の様にディーゼルエンジンを搭載しているSUVの価格は高くなる傾向が見えます。SUVの力強さと太いトルクを求めるのであれば多少の車体が高くなるのは承知しておかないといけません。
利便性と金額だけで選択するのであれば「アウトランダー」や「エクストレイル」になると思いますが、走行性能や安全性能、装備の充実さを求めるのであれば断然「CX-8」だと思います。