GLCクーペは、2017年2月に日本で発売が開始された新型車です。その名の通りGLCのクーペ版でメルセデスベンツとしては7番目のSUVになります。ラインアップはガソリン仕様の2.0L車GLC200・250、3.0車のAMG GLC43、ディーゼル仕様の2.2L車GLC220d、2.0Lエンジンとモーターを組み合わせたGLC350eの4タタイプが用意されています。
SUVのたくましさとクーペのスポーティーさを兼ね備えたGLCクーペですが、どちらかというとオンロード寄りとなっています。また全車に先進の予防安全装備であるレーダーセーフティーパッケージが標準装備されており、高級SUVに相応しい安全性を確保しています。
GLCクーペの良い点(メリット)
①JC08モード16.2km/Lのディーゼル仕様がおススメ。
2.0L直列4気筒ターボを搭載した新型GLCクーペは、JC08モード13.6km/Lの低燃費を実現しており、普段の足としても十分に使えます。輸入車SUVのライバル車のX4と比較すると、13.7km/Lとなっており良い勝負です。
ディーゼル仕様のGLC220d 4MATICクーペスポーツでは、16.2km/Lと圧倒的な数値となっています。ガソリン車との価格差は35万円ありますが、ハイオクと軽油の燃料費の差を考慮すると検討する価値はありそうです。
②レーダーセーフティーパッケージで広範囲に監視。
最先端の監視システムであるレーダーセーフティーパッケージを搭載した新型GLCクーペは、5つのレーダーセンサーとステレオマルチパーパスカメラによって車両周辺の状況を監視しています。前方の車両だけでなく横切る車や合流する車との衝突の危険性を検知すると、ディスプレイと音で警告してくれます。
側方ではリアバンパー左右のレーダーセンサーにより、死角になりやすい側後方をカバーしています。後方からの衝突被害を軽減するリアCPAも備わっており、幅広い場面で活躍してくれること間違いなしです。
③高さは630mmと低めだが奥行きが広く、十分な荷室を確保。
フル乗車で奥行き980mm×幅1,080mm×高さ630mmの新型GLCクーペは、天地方向に余裕があまりないものの、500Lの容量&床下収納を確保しています。リアシートを倒すと奥行きは1,930mmまで拡大し、最大で1,400Lまで増えるので、大きな荷物も沢山積む事が出来ます。(GLC 350 e 4MATIC クーペ スポーツは1,250L)
またリモコンキーを持ったままリアバンパーの下に足をかざすような動作をすると、テールゲートが自動で開くフットトランクオープナーを標準装備しているほか、車内・荷室側の両方に後席格納スイッチがあるのも使い勝手が良いポイントです。
④X4よりは100万円程度低い価格設定でお得感あり。
エントリーグレードGLC200クーペのメーカー希望小売価格が627万円~の新型GLCクーペは、ベースモデルのGLCより各グレードで30万円程度アップした価格設定です。
輸入車SUVでライバル車にあたるX4が726万円~となっており、100万円程度安い価格設定になっています。(国産SUVでは実質ライバルと言える車種がなく、比較はなし)もちろん装備・性能・ブランドなどが異なるため一概には比較は出来ませんが、お得感はあります。
⑤豊富な機能を備える最新のCOMANDシステムを搭載。
8.4インチディスプレイを備えた最新のCOMANDシステムを標準搭載している新型GLCクーペは、カーナビはもちろんの事、ビデオやハンズフリー通話・Bluetooth接続機能でインターネットの閲覧・車両の設定など豊富な機能を備えています。
操作方法はタッチパッド・コントローラー・ステアリングスイッチ・音声入力などがあり、コントローラーは手書き入力も出来る優れものです。直感的に操作ができ、簡単なので使い勝手も良いです。
GLCクーペの欠点(デメリット)
①全高が1,605mmと低めで乗降性・後席の居住性は微妙。
全高が1,605mmと低めの新型GLCクーペは、前後席共に乗り降りする際には大きく頭を下げる動作が必要になります。特に後席はふくらはぎが当たりやすく足元空間も狭いため、やや窮屈な体勢になってしまいます。
乗車すると前席は広いという程ではありませんが、足元・頭上空間共に余裕がありそこまで窮屈に感じません。しかし後席はボディー中心からリアにかけてルーフラインが下がっている関係で、頭上空間に余裕がなく圧迫感があります。後席の広さを重視するなら、ベース車のGLCの方が良いかもしれません。
②側・後方が死角になる部分が多く、注意が必要。
全(長4,735mm×幅1,890mm×高1,605mm)の新型GLCクーペは、GLCより全長が75mm伸びており大きめのサイズのSUVになります。最小回転半径も5.7mと取り回しが良いといえず、狭い路地などを運転する際には注意する必要があります。
また後方に向けてルーフが下がっているため、側・後方の視界が悪くなっています。360°カメラシステム&パーキングアシストリアビューカメラを標準装備しているのでまだマシですが、バックの際には気をつけたいところです。